C:\Windows ディレクトリ内の各フォルダ詳細解説

Windows

C:\Windows フォルダは Windows オペレーティングシステムの心臓部であり、システムの動作に不可欠なファイルやフォルダが格納されています。本記事では、C:\Windows 直下に存在する各ディレクトリについて詳しく解説します。

主要なシステムディレクトリ

System32

Windows で最も重要なディレクトリのひとつです。64ビット版 Windows では、64ビットのシステム DLL(ダイナミックリンクライブラリ)、EXE ファイル、ドライバなどが格納されています。名前は歴史的な経緯で「32」となっていますが、現代の Windows では 64ビットファイルが入っています。cmd.exenotepad.exetaskmgr.exe など、基幹システムツールもここにあります。

SysWOW64

64ビット Windows 上で 32ビットアプリケーションを動作させるための互換レイヤー「WOW64(Windows on Windows 64)」に関連するディレクトリです。32ビット版のシステム DLL がここに格納されており、古い 32ビットアプリも問題なく動作できるようにしています。

WinSxS(Windows Side-by-Side)

Windows のコンポーネントストアです。異なるバージョンの DLL を複数共存させることで「DLL 地獄」を防ぐ仕組みです。Windows Update のバックアップファイルやシステムコンポーネントのキャッシュもここに保存されるため、非常に大きなサイズになることがあります。

System

16ビット時代の古い Windows(Windows 3.x / 9x)との互換性のために存在するディレクトリです。現代の Windows では主に後方互換性のために保持されており、実際に使われることは少ないです。

起動・ブート関連

Boot

Windows の起動プロセスに必要なファイルが格納されています。ブートローダーの設定ファイル(BCD: Boot Configuration Data)やフォントファイルなどが含まれており、OS が起動するための最初のステップを担います。

Panther

Windows のセットアップおよびアップグレードのログファイルが保存されるディレクトリです。Windows インストールや更新時に問題が発生した場合、ここのログファイル(setupact.logsetuperr.log など)をチェックすることでトラブルシューティングができます。

Setup

Windows のセットアップ処理に関連するファイルが格納されるフォルダです。インストールや修復プロセスで使用されます。

servicing

Windows のサービシング(更新・修正適用)インフラに関するファイルが入っています。Windows Update や DISM(展開イメージのサービスと管理)ツールが使用するコンポーネントが含まれます。

SoftwareDistribution

Windows Update がダウンロードした更新プログラムの一時保存場所です。更新ファイルはここに保存されてからインストールされます。Windows Update の問題が発生した際にこのフォルダをクリアすることがトラブルシューティングの定番手順のひとつです。

WaaS(Windows as a Service)

Windows 10/11 の「サービスとしての Windows」モデルに関連するファイルが格納されています。機能更新プログラムや品質更新プログラムの管理に使用されます。

UUS(Undocked Update Stack)

Windows Update スタックを OS 本体から切り離して独立更新できるようにする仕組みのファイルが格納されています。Windows 11 で導入された比較的新しいコンポーネントです。

フォントと表示関連

Fonts

Windows にインストールされているフォントファイル(.ttf、.otf、.fon など)がすべて格納されています。メイリオ、游ゴシックなどの日本語フォントや、Arial、Times New Roman などの欧文フォントもここにあります。新しいフォントをインストールするとこのフォルダに追加されます。

Cursors

マウスカーソルのファイル(.cur、.ani)が格納されています。Windows の設定からカーソルをカスタマイズする際に使用されるファイルです。アニメーションカーソル(.ani)も含まれています。

Resources

テーマやビジュアルスタイルに関するリソースファイルが格納されています。Windows のデスクトップテーマ(壁紙、サウンド、カラーなど)の構成要素が含まれます。

SystemResources

システムレベルのリソースファイル(アイコン、イメージなど)が保管されています。Windows のシェルやシステムコンポーネントが使用するビジュアルリソースが含まれます。

Branding

Windows のブランディング(OEM ロゴ、起動画面など)に関するファイルが格納されています。パソコンメーカーが独自のロゴを Windows の起動画面などに表示するためのカスタマイズ情報もここにあります。

Web

Windows の壁紙画像(デフォルトの壁紙など)や、Internet Explorer / Edge のデフォルトページなど、Web 関連のリソースファイルが格納されています。

言語・国際化関連

Globalization

各言語・地域の設定データ(ロケール情報、文字コードテーブル、並び替えルールなど)が格納されています。Windows の多言語対応を支える重要なフォルダです。

IME(Input Method Editor)

日本語・中国語・韓国語などの入力メソッドに関するファイルが格納されています。日本語環境では Microsoft IME の辞書ファイルや設定ファイルがここにあります。

InputMethod

IME と連携する入力メソッドのフレームワーク関連ファイルが入っています。タッチキーボードや音声入力など、さまざまな入力手段のサポートファイルも含まれます。

en-US / ja-JP

各言語固有のリソースファイルが格納されるフォルダです。en-US は英語(米国)、ja-JP は日本語の言語パックやメッセージリソースが格納されています。

L2Schemas

Language Level 2(L2)関連のスキーマファイルが格納されています。言語処理や文字変換のルールを定義した XML ベースのスキーマが含まれます。

LanguageOverlayCache

言語オーバーレイのキャッシュファイルが保存されます。Windows の多言語 UI において、基本 OS に対して言語パックを「オーバーレイ」する際の一時キャッシュです。

OCR

光学文字認識(OCR)エンジンに関するファイルが格納されています。Windows の「テキスト読み取り」機能(Windows.Media.Ocr API)が使用するモデルデータが含まれます。

Speech / Speech_OneCore

音声認識・音声合成(テキスト読み上げ)エンジンのファイルが格納されています。Speech は従来の SAPI(Speech API)関連、Speech_OneCore はモダンな OneCore プラットフォーム向けのファイルです。Cortana や ナレーターなどで使用されます。

アプリケーション関連

SystemApps

Windows に組み込まれたシステムアプリ(UWP アプリ)が格納されています。スタートメニュー、Cortana、エッジブラウザの一部、アクションセンターなど、OS の核心部分を成すアプリがここにあります。

InboxApps

Windows に標準搭載された「受信トレイアプリ(Inbox Apps)」のパッケージが格納されています。メール、カレンダー、フォトなど、Windows 標準アプリのパッケージソースです。

ImmersiveControlPanel

Windows 8 以降で導入されたモダン UI の「設定」アプリ(PC 設定)に関するファイルが含まれます。従来のコントロールパネルとは別に存在するタッチ対応の設定インターフェースです。

ShellComponents / ShellExperiences

Windows シェル(デスクトップ環境)のコンポーネントが格納されています。タスクバー、スタートメニュー、通知センターなどの UI コンポーネントに関するファイルが含まれます。

GameBarPresenceWriter

Xbox Game Bar(ゲームバー)の「プレゼンス(存在確認)」機能に関するファイルが格納されています。ゲームのプレイ状態を記録・報告するコンポーネントです。

BrowserCore

Microsoft Edge などのブラウザと Windows の認証連携(SSO: シングルサインオン)を担うコンポーネントのファイルが格納されています。職場・学校アカウントでの自動サインインに使用されます。

addins

Windows コンポーネント向けのアドインファイルが格納される場所です。一部のシステムコンポーネントや古いアプリケーションがここにプラグインを配置します。

twain_32

スキャナやデジタルカメラとの通信に使用される TWAIN インターフェースに関するファイルが格納されています。32ビット版の TWAIN ドライバを管理します。

.NET・開発関連

Microsoft.NET

Microsoft .NET Framework のランタイムファイルが格納されています。バージョン 2.0、3.5、4.x などの複数バージョンが共存して格納されており、.NET アプリケーションの動作に不可欠です。

assembly

.NET Framework の GAC(グローバルアセンブリキャッシュ)です。複数のアプリケーションで共有される .NET アセンブリ(DLL)が一元管理されており、バージョン競合を防ぎます。

Microsoft

各種 Microsoft コンポーネントのファイルが格納される汎用フォルダです。Windows Defender の定義ファイルや、各種 Microsoft サービスのサポートファイルが含まれます。

schemas

Windows の各種 XML スキーマ定義ファイルが格納されています。グループポリシーやプロビジョニング、セキュリティ設定などの構造を定義した XSD ファイルが含まれます。

ネットワーク・通信関連

TAPI(Telephony Application Programming Interface)

電話・モデムなどの通信デバイスを扱う TAPI に関するファイルが格納されています。VoIP や FAX 機能など、テレフォニー機能のサポートに使用されます。

ModemLogs

モデムやダイヤルアップ接続のログファイルが保存されるフォルダです。接続の問題が発生した際のトラブルシューティングに利用します。

診断・ログ関連

Logs

Windows のさまざまなコンポーネントが生成するログファイルが格納されます。CBS(コンポーネントベースサービス)のログ、Windows Update のログ、セットアップログなどが含まれ、システムのトラブルシューティングに役立ちます。

debug

デバッグ用のログファイルが格納されます。NetLogon.log(ドメイン認証ログ)や WER(Windows Error Reporting)の情報など、システムデバッグに有用なファイルが含まれます。

diagnostics

Windows の自動診断ツール(Windows トラブルシューティング)に関するファイルが格納されています。ネットワーク診断、サウンド診断、Windows Update 診断など、各種トラブルシューターのスクリプトが含まれます。

DiagTrack

Windows の診断追跡(テレメトリ)サービスに関するファイルが格納されています。Microsoft に送信される診断データの収集・管理を担うコンポーネントです。

LiveKernelReports

カーネルがクラッシュした際(BSOD など)に生成されるライブカーネルレポートが格納されます。ミニダンプファイルなどが含まれ、ハードウェアやドライバの問題解析に使用されます。

tracing

Windows のトレースログファイルが保存されるフォルダです。RAS(リモートアクセスサービス)などのネットワーク診断トレースが含まれます。

CbsTemp

CBS(コンポーネントベースサービス)の一時ファイルが格納されます。Windows Update や DISM の処理中に一時的に使用されます。

セキュリティ関連

security

Windows のセキュリティ設定や監査ポリシーに関するデータベースファイルが格納されています。セキュリティポリシーの設定が保持されます。

ELAMBKUP(Early Launch Anti-Malware Backup)

Windows の起動時に最初に読み込まれるマルウェア対策ドライバ(ELAM: Early Launch Anti-Malware)のバックアップが格納されています。ブートキット型マルウェアへの対策として Windows 8 で導入された機能です。

IdentityCRL

Microsoft アカウントの認証(CRL: 証明書失効リスト)に関するファイルが格納されています。Windows の ID 管理と Microsoft サービスへのシングルサインオンに使用されます。

パフォーマンス・最適化関連

prefetch

プリフェッチファイル(.pf)が格納されます。Windows がよく使うアプリケーションの起動パターンを記録し、次回起動時に先読みすることで起動を高速化する仕組みです。SSD 環境では効果が薄いため、Windows 8 以降は SSD を検出した場合に自動で無効化されます。

Performance

Windows のパフォーマンス監視ツール(パフォーマンスモニター)に関連するファイルが格納されています。WinSAT(Windows システム評価ツール)の測定結果なども含まれます。

PLA(Performance Logs and Alerts)

パフォーマンスログとアラートに関するファイルが格納されます。システムのパフォーマンスデータを収集・記録するためのテンプレートや設定ファイルが含まれます。

ストレージ・バックアップ関連

Vss(Volume Shadow Copy Service)

ボリュームシャドウコピーサービス(VSS)に関するファイルが格納されています。「以前のバージョン」機能(ファイルの自動バックアップ)や、バックアップツールが利用するスナップショット機能を支えます。

rescache

Windows Update の回復キャッシュが格納されます。システムの回復(回復ポイント)に関する情報が保持され、更新の問題発生時にロールバックするために使用されます。

インストール・プロビジョニング関連

Installer

Windows Installer(MSI)がインストールしたアプリケーションのキャッシュが格納されます。アプリの修復・アンインストール時に使用されるパッケージが保存されており、削除するとアプリの修復ができなくなることがあります。

INF

デバイスドライバのセットアップ情報ファイル(.inf)が格納されています。ハードウェアをインストールする際に Windows がドライバを認識するための設定ファイルです。

Provisioning

Windows のプロビジョニング(企業向け一括設定)パッケージに関するファイルが格納されています。MDM(モバイルデバイス管理)や Windows Configuration Designer で作成した設定パッケージが処理されます。

Migration

Windows のアップグレードやデータ移行(USMT: User State Migration Tool)に関するファイルが格納されています。古いバージョンから新しいバージョンへの移行処理で使用されます。

AppReadiness

新しいユーザーが初めてログインした際に、プリインストールアプリを準備(プロビジョニング)するためのファイルが格納されています。初回ログイン時の「アプリの準備中…」処理に関連します。

ポリシー・設定管理関連

PolicyDefinitions

グループポリシーの定義ファイル(ADMX/ADML)が格納されています。Windows の各設定項目をグループポリシーエディター(gpedit.msc)で管理するための設定テンプレートです。

Registration

COM(Component Object Model)コンポーネントの登録情報(.creg ファイル)が格納されています。システムのコンポーネント登録データベースに関連するファイルです。

SchCache

グループポリシーのスキーマキャッシュが格納されています。Active Directory 環境でのポリシー適用を高速化するためのキャッシュです。

ServiceProfiles

Windows サービスが使用するユーザープロファイルが格納されています。LocalServiceNetworkServiceLocalSystem などのサービスアカウントのプロファイルデータがここにあります。

ServiceState

Windows サービスの状態データが格納されます。一部のサービスが設定や状態情報をここに保持します。

Tasks

タスクスケジューラに登録されたタスクの定義ファイル(XML)が格納されています。Windows が自動実行するメンテナンスタスクやシステムタスクの設定が含まれます。

その他のディレクトリ

Temp

システム全体の一時ファイルが保存されるフォルダです。各種アプリやシステムプロセスが作業中に使用する一時ファイルが生成されます。定期的に削除しても問題なく、ディスク容量の節約になります。

SystemTemp

Windows 11 で追加されたシステム専用の一時ファイル領域です。SYSTEM アカウントで動作するプロセスが使用する一時ファイルが格納されます。

Downloaded Program Files

Internet Explorer の ActiveX コントロールや Java アプレットのダウンロードキャッシュが格納される、歴史的なフォルダです。現代の Windows では実質的に使われませんが、後方互換のために残っています。

Offline Web Pages

Internet Explorer の「オフライン Web ページ」機能でキャッシュしたページが保存されるフォルダです。こちらも現代では実質的に使用されない歴史的なフォルダです。

Help

Windows のヘルプファイル(.chm、.hlp)が格納されています。各種システムコンポーネントやアプリケーションのヘルプコンテンツが含まれます。

Media

Windows の効果音(通知音、起動音、エラー音など)の WAV ファイルが格納されています。設定から変更できるシステムサウンドのソースファイルです。

SKB

ソフトウェアキーボード(スクリーンキーボード)に関するバックアップデータが格納されています。タッチキーボードの設定や学習データが含まれることがあります。

appcompat

アプリケーション互換性データベースが格納されています。古いアプリを新しい Windows で動かすために、互換モードの情報や既知の問題の回避策(Shim)データベースが含まれます。

apppatch

アプリケーション互換性パッチ(Shim)のデータベースファイルが格納されています。appcompat と連携して、古いソフトウェアを現代の Windows で動作させるための修正が適用されます。

DigitalLocker

デジタルロッカー(購入したデジタルコンテンツの管理機能)に関するファイルが格納されています。Windows 7 時代に導入された機能の残骸であり、現代では実質的に使われていません。

bcastdvr

ゲームのブロードキャスト・録画(Xbox Game Bar の「バックグラウンド録画」機能)に関するファイルが格納されています。

WUModels

Windows Update の機械学習モデルが格納されています。更新プログラムの配信最適化や問題予測に AI/ML モデルを活用する Windows 11 の新機能に関連します。


注意:C:\Windows 内のファイルやフォルダは Windows システムの動作に不可欠なものが多く、誤って削除・変更するとシステムが正常に動作しなくなる場合があります。一般ユーザーはこれらのフォルダを直接操作しないことを推奨します。

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