プロセスとは?
プロセスとは、実行中のプログラムのことです。Wordを起動すれば「Wordのプロセス」が、Chromeを起動すれば「Chromeのプロセス」が生まれます。前回学んだカーネルが、これらをすべて管理しています。
プロセスには3種類あります。
- アプリプロセス:私たちが直接使うアプリ(Word、Chrome、ゲームなど)が動かすプロセスです。
- バックグラウンドプロセス:画面には見えないところで動いているプロセスです。ウイルス対策ソフトや、Windowsの自動更新などがこれにあたります。
- Windowsプロセス:Windowsそのものを動かすために必要なシステムプロセスです。
svchost.exeやexplorer.exeなどが代表例です。
スレッドとは?
プロセスの中で実際に処理を担う単位がスレッドです。1つのプロセスの中に複数のスレッドが存在できます。
例えばWordというプロセスの中に、「文字を表示するスレッド」「自動保存するスレッド」「スペルチェックするスレッド」などが並行して動いています。これをマルチスレッドと呼びます。
プロセス(例:Word) ├── スレッド①:文字の表示 ├── スレッド②:自動保存 └── スレッド③:スペルチェック
タスクマネージャーの起動方法
タスクマネージャーは以下の方法で起動できます。
- Ctrl + Shift + Esc(最速・直接起動)
- Ctrl + Alt + Delete → 「タスクマネージャー」を選択
- タスクバーを右クリック → 「タスクマネージャー」
各タブの見方と活用法
「プロセス」タブ
最もよく使うタブです。現在動いているすべてのプロセスとそのリソース使用量が一覧表示されます。
| 列名 | 見るべきポイント |
|---|---|
| CPU | そのプロセスのCPU使用率。通常は数%以下。常時高い場合は異常の可能性あり。 |
| メモリ | 使用中のRAM量。「メモリ不足」のときは大食いプロセスをここで探す。 |
| ディスク | SSD/HDDへの読み書き量。常に100%近い場合はディスクがボトルネック。 |
| ネットワーク | 通信量。バックグラウンドで大量通信しているプロセスを発見できる。 |
応答しなくなったアプリはここで右クリック→「タスクの終了」で強制終了できます。
「パフォーマンス」タブ
PCのハードウェア全体のリアルタイム状態を確認できます。
- CPU:使用率の推移グラフと、コア数・クロック速度が表示されます。
- メモリ:全体のRAM容量、使用中の量、使用可能な量が確認できます。「使用可能」が少ないと動作が重くなります。
- ディスク:読み取り・書き込み速度と使用率が表示されます。
- GPU:グラフィックスカードの使用率と専用メモリの使用量が確認できます。ゲームやAI処理の負荷を見るときに役立ちます。
「スタートアップ」タブ
Windows起動時に自動的に起動するプログラムの一覧です。
ここに登録されているプログラムが多いほど起動が遅くなります。不要なものを右クリック→「無効化」するだけで起動時間を短縮できます。「スタートアップへの影響」列が「高」になっているものから確認しましょう。ただしセキュリティソフトやドライバー関連は無効化しないよう注意が必要です。
「詳細」タブ
上級者向けの詳細情報が表示されます。プロセスのID(PID)、実行ユーザー、CPU・メモリの詳細な数値などが確認できます。
特に重要なのがPID(プロセスID)です。同じ名前のプロセスが複数ある場合(svchost.exeなど)、PIDで個別に識別できます。
知っておくべき主要なWindowsプロセス
| プロセス名 | 役割 | 注意点 |
|---|---|---|
| System | カーネル本体が動くプロセス | CPU・メモリ使用量は通常ほぼゼロ |
| svchost.exe | Windowsのサービスを束ねる器 | 複数同時に動くのが正常。右クリック→「サービスへ移動」で中身を確認可能 |
| explorer.exe | デスクトップ・エクスプローラーの表示 | 落ちるとデスクトップが消える。タスクマネージャーから再起動可能 |
| lsass.exe | ログイン認証とセキュリティ管理 | 停止するとシステムが強制再起動。マルウェアがなりすますことがあるため注意 |
| winlogon.exe | ログイン画面の表示とセッション管理 | Windowsの起動・ログインに不可欠 |
タスクマネージャーで問題を診断する
PCが重いとき
① プロセスタブを開く ② 「CPU」または「メモリ」でソート(列をクリック) ③ 上位のプロセスを確認 → 見知らぬプロセスが高負荷 → マルウェアの可能性 → 正規アプリが高負荷 → そのアプリの問題 → System/svchost が高負荷 → Windows Updateの処理中の可能性
メモリ不足のとき
① パフォーマンスタブ → メモリで「使用可能」を確認 ② プロセスタブ → メモリ列でソート ③ 大量消費プロセスを特定して終了または再起動
起動が遅いとき
① スタートアップタブを開く ② 「スタートアップへの影響」が「高」のものを確認 ③ 不要なプログラムを右クリック→「無効化」
まとめ
タスクマネージャー活用チートシート ├── プロセスタブ → 重いプロセスの特定・強制終了 ├── パフォーマンスタブ → CPU/メモリ/GPU/ディスクの状態確認 ├── スタートアップタブ → 起動を遅くしているプログラムを無効化 └── 詳細タブ → PIDで特定プロセスを詳しく調査
タスクマネージャーはWindows 11の「困ったときの万能ツール」です。PCが重い、アプリが固まった、メモリが足りないなど、日常のトラブルのほとんどはここで状況を把握できます。ぜひ Ctrl + Shift + Esc のショートカットを覚えておきましょう。
次回はWindowsのファイルシステムとストレージ管理、またはネットワークの仕組みについて学んでいきます。





