Windows 10の延長セキュリティ更新プログラム (ESU: Extended Security Updates) は、Windows 10のサポート終了日である2025年10月14日以降も、セキュリティ更新プログラムを受け取るための有償のプログラムです。
ESUに関する重要なポイント
1. 概要と目的
- ESUは、Windows 10のメインストリームサポートと延長サポートが終了した後、緊急または重大なセキュリティ更新プログラムを提供します。
- Windows 11への移行が間に合わない場合や、アプリケーションの互換性の問題などで移行が困難な企業や個人向けの一時的な対策として提供されます。
- ESUはあくまでセキュリティ更新のみであり、新機能の追加やテクニカルサポートは含まれません。
2. 対象エディション
- Windows 10 Home、Pro、Enterprise、Education、IoT Enterpriseが対象です。
- ただし、Windows 10 Enterprise LTSC 2021(2032年1月まで)とWindows 10 IoT Enterprise LTSC(最長2032年1月まで)は、通常のサポート期間が長いためESUの対象外です。
- ESUを適用するには、Windows 10 バージョン22H2に更新しておく必要があります。
3. 期間と価格
- ESUは年単位で提供され、最大3年間(2028年10月14日まで)利用できます。
- 価格は年々倍額になる方式です。
- 個人またはWindows 10 Homeのお客様の場合:
- 1年目: $30 (USD)
- 2年目: $60 (USD)
- 3年目: $120 (USD)
- 組織・企業向けの場合 (1デバイスあたり):
- 1年目: $61 (USD)
- 2年目: $122 (USD)
- 3年目: $244 (USD)
- 個人またはWindows 10 Homeのお客様の場合:
- Windows 365やAzure Virtual DesktopでWindows 10を実行している場合は、ESUが追加料金なしで利用できます。
4. 購入方法と利用開始時期
- ESUの購入は、2025年のサポート終了間近に開始される予定です。
- 法人向けESUは、Microsoft 365管理センター、Microsoftのリセラー、Microsoft Storeなどで取得できます。
- 2年目からESUを購入する場合でも、1年目の費用を支払う必要があります(累積購入)。
5. 注意点と推奨事項
- ESUはあくまで一時的な措置であり、長期的にはWindows 11などのサポート対象OSへの移行が推奨されます。
- ESUはコストがかかるだけでなく、セキュリティ更新のみの提供であるため、最新の機能や改善は受けられません。
- Windows 10を継続利用することは、セキュリティ面でのリスクが増大する可能性があります。
Windows 10 ESUを検討される場合は、上記の点を踏まえ、現在の環境や将来的な計画と照らし合わせて慎重に判断することが重要です。
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Windows11への移行を遅らせることは可能?
Windows 10 ESU(延長セキュリティ更新プログラム)を利用することで、最大3年間はWindows 11への移行を遅らせることが可能です。しかし、これはあくまで一時的な措置であり、MicrosoftはWindows 11への早期移行を強く推奨しています。
「遅くしても大丈夫」という表現は、以下のようなリスクとコストを理解した上で判断する必要があります。
ESU利用で移行を遅らせることのデメリットとリスク:
- 費用がかかる: ESUは有料であり、年々価格が上昇します。3年間利用すると、累積費用はかなりの額になります。これは、Windows 11への移行費用(新しいPCの購入やアップグレード作業費など)と比較して、費用対効果を慎重に検討する必要があります。特に、古いPCを使い続ける場合、ESU費用に加えてハードウェアの故障リスクや性能不足による業務効率の低下も考慮に入れる必要があります。
- セキュリティ更新のみ: ESUはセキュリティ更新プログラムのみを提供します。新機能の追加や既存機能の改善、パフォーマンスの最適化、不具合の修正は行われません。つまり、最新の脅威に対する防御は強化されますが、OSとしての進化は止まります。
- サポートの限定: ESUはあくまでセキュリティ更新であり、Microsoftによるテクニカルサポートは受けられなくなります。OSに関する問題が発生した場合、自己解決するか、別途サポートを依頼する必要があり、費用や手間がかかる可能性があります。
- ソフトウェア・ハードウェアの互換性: 将来的に、新しいソフトウェアや周辺機器がWindows 10に対応しなくなる可能性があります。特に、Windows 11の機能を前提とした新しいアプリケーションやデバイスは、Windows 10では利用できないか、正常に動作しない可能性があります。
- 根本的な解決ではない: ESUは最長3年間という期限付きのプログラムです。結局のところ、遅かれ早かれWindows 11への移行は必要になります。移行を遅らせることで、その作業を先延ばしにするだけであり、最終的なコストや手間が増える可能性もあります。
Windows 11への早期移行が推奨される理由:
- 最新のセキュリティ機能: Windows 11はWindows 10よりも新しいセキュリティアーキテクチャと機能が組み込まれており、より強力な保護を提供します。
- 新機能とパフォーマンス: 新しいUI、生産性向上ツール、ゲーム機能など、Windows 11には多くの新機能が搭載されています。また、全体的なパフォーマンスの改善も期待できます。
- 長期的なサポート: Windows 11は長期的なサポートが提供されるため、安心して利用できます。
結論として:
Windows 10 ESUは、Windows 11への移行が何らかの事情で**一時的に困難な場合に利用を検討する「延命措置」**です。例えば、社内システムや特定の業務アプリケーションがWindows 11に対応するまで時間がかかる場合などに有効です。
しかし、可能な限り早期にWindows 11への移行を進めるのが最善策です。ESUはコストがかかり、機能面でのメリットがなく、最終的な移行を避けることはできません。現在のPCがWindows 11のシステム要件を満たしている場合は、無償アップグレードを検討し、要件を満たさない場合は新しいWindows 11搭載PCへの買い替えを検討することが、長期的な視点で見ると最も賢明な選択と言えます。
2025年10月14日のサポート終了は目前に迫っていますので、まだ移行計画を立てていない場合は、早急に検討を開始することをお勧めします。