― 図解でわかる宇宙天気と私たちの生活 ―
はじめに
ニュースで
「太陽フレアが発生」「通信障害の恐れ」
と聞いても、なぜGPSや通信に影響が出るのかは分かりにくいものです。
この記事では、
👉 太陽フレア → 地球 → GPS・通信障害
という流れを、図解を交えて分かりやすく解説します。
太陽フレアとは何か?
太陽フレアとは、太陽表面で起こる大規模な爆発現象です。
この爆発によって、次のものが放出されます。
- 強い X線・紫外線
- 高エネルギーの 電子・陽子
- 場合によっては コロナ質量放出(CME)
図解① 太陽フレアの発生
☀ 太陽
───────
💥 ← 太陽フレア
/│\
X線 紫外線 高エネルギー粒子
これらが地球方向に放たれると、影響が始まります。
地球に何が起きるのか?
太陽フレアの影響は、まず地球上空の電離圏に現れます。
電離圏とは?
高度60〜1000km付近にある、
- 電子が多く存在する層
- 電波が通過・反射する重要な領域
図解② 地球と電離圏
人工衛星 🛰
↓ GPS電波
─────────────────
電離圏(電子が多い)
─────────────────
↓
地上の受信機 📱
太陽フレアが電離圏を乱す
太陽フレアのX線・紫外線が到達すると、
- 電離圏の電子密度が急増
- 電子の分布が不均一になる
これが 通信・GPS障害の原因 です。
GPSに起こる影響
GPSの基本原理
GPSは、
- 複数の衛星からの電波の到達時間
- それを元に位置を計算
しています。
図解③ GPS誤差が起こる仕組み
🛰 衛星
↓(本来)
↓(電離圏が乱れると遅延・屈折)
~~~~~~ 電離圏 ~~~~~~
↓
📍 実際の位置 ← ❌ 計算位置がズレる
GPSへの具体的な影響
- 位置誤差が増える(数m → 数十m)
- 高精度GPSが使えなくなる
- 衛星信号を一時的に受信不能
特に影響を受けやすい分野:
- 航空機
- 船舶
- 測量
- 自動運転・農業用GPS
通信への影響
① 短波通信(HF通信)のブラックアウト
短波通信は、電離圏で電波を反射させて遠距離通信を行います。
図解④ 短波通信の仕組みと障害
送信局 📡
↗
↗ ← 電離圏で反射
↗
受信局 📻
太陽フレア発生時:
電離圏が過剰に電離
↓
電波が吸収される
↓
❌ 反射せず通信不能
これを
D層吸収(電波ブラックアウト)
と呼びます。
② 衛星通信への影響
- 衛星との通信エラー
- データ欠損
- 一時的な通信断
影響を受ける例:
- 衛星電話
- 気象衛星
- 放送衛星
- インターネットの一部バックボーン
強力な太陽フレアの場合(CME直撃)
フレアに加えてCMEが地球に直撃すると、
地磁気嵐が発生します。
図解⑤ 地磁気嵐とインフラ
太陽 ☀ → CME → 地球 🌍
↓
地磁気が大きく乱れる
↓
送電線に異常電流 ⚡
結果として:
- 変圧器故障
- 大規模停電
- 鉄道・通信障害
フレアの規模と影響の関係
| フレアの規模 | 主な影響 |
|---|---|
| C級 | ほぼ影響なし |
| M級 | GPS誤差・無線障害 |
| X級 | 大規模通信障害・停電リスク |
なぜ普段は気づかないのか?
- GPSは誤差補正技術が進化
- 通信網は冗長構成
- 重要インフラは事前に警戒態勢
そのため、
「裏では影響が出ているが、日常生活では気づかない」
ケースが多いのです。
まとめ
- 太陽フレアは電離圏を乱す
- 電離圏の乱れがGPS誤差・通信障害を引き起こす
- 規模が大きいと社会インフラにも影響
- 宇宙の出来事が、私たちの生活と直結している

