Web通帳(ウェブ通帳)とは? メリット・デメリット、利用時の注意点を解説

がいの部屋

近年、多くの銀行で導入が進められているWeb通帳は、従来の紙の通帳に代わり、インターネットバンキングや銀行のスマートフォンアプリを通じて取引明細などを確認できるサービスです。環境への配慮や利便性の向上といった理由から普及が進んでいますが、利用にあたってはメリットだけでなくデメリットや注意点も存在します。

Web通帳のメリット

Web通帳には、利用者にとって様々なメリットがあります。

  • 場所や時間を選ばずに明細を確認できる: スマートフォンやパソコンがあれば、24時間いつでもどこでも残高照会や入出金明細の確認が可能です。ATMを探したり、銀行の窓口に行く必要がなくなります。
  • 記帳や繰越しの手間が不要: 紙の通帳のように記帳をするためにATMに並んだり、ページがいっぱいになった際に繰越し手続きをしたりする手間が省けます。
  • 通帳の紛失や盗難のリスクがない: 紙媒体ではないため、通帳自体をなくしたり盗まれたりする心配がありません。これにより、個人情報が第三者の手に渡るリスクを減らせます。
  • 環境に優しい: 紙資源を使用しないため、環境負荷の低減に貢献できます。
  • 各種手数料の優遇: 銀行によっては、Web通帳の利用者を対象にATM時間外手数料や振込手数料の無料回数を設けるなど、優遇措置を提供している場合があります。また、普通預金の金利が上乗せされるケースも見られます。
  • 過去の明細を長期間確認できる: 多くの銀行で、紙の通帳よりも長い期間の取引履歴をウェブ上で確認できます。中には10年分やそれ以上の期間の明細を閲覧できる場合もあります。また、データをダウンロードして家計管理などに活用しやすいという利点もあります。

Web通帳のデメリット

一方で、Web通帳にはいくつかのデメリットも存在します。

  • 紙の通帳が利用できなくなる: Web通帳に切り替えると、それまで使用していた紙の通帳は基本的に使えなくなります。
  • 紙の通帳に戻す際に手数料がかかる場合がある: 一度Web通帳に切り替えた後で再び紙の通帳の発行を希望する場合、手数料がかかる銀行がほとんどです。
  • インターネット環境とデバイスが必要: 明細の確認にはインターネットに接続されたパソコンやスマートフォンが必須となります。これらの環境がない場所や、デバイスの操作に不慣れな場合は利用が難しいです。
  • ATMでの入金にキャッシュカードが必要: 紙の通帳があれば通帳のみで入金できる場合がありましたが、Web通帳の場合は入金時にもキャッシュカードが必要となります。
  • 取引履歴の閲覧期間に制限がある場合がある: 銀行によってウェブ上で確認できる取引履歴の期間が異なります。長期間の明細が必要な場合は、事前に確認が必要です。また、閲覧期間を過ぎた明細を確認するには、別途手続きや手数料が必要になる場合があります。
  • 物理的な記録が手元に残らない: 紙の通帳のように手元に現物がないため、視覚的に取引を確認したい場合や、相続手続きなどで物理的な通帳の提示を求められる場合に不便を感じる可能性があります。

Web通帳を使用する際の注意点

Web通帳を安全かつ便利に利用するためには、以下の点に注意が必要です。

  • パスワードの厳重な管理: インターネットバンキングへのログインに必要なIDやパスワードは厳重に管理し、使い回しを避け、定期的に変更することが推奨されます。フィッシング詐欺などにも十分注意が必要です。
  • セキュリティ対策の徹底: 銀行側も様々なセキュリティ対策を行っていますが、利用者自身も二段階認証設定を活用したり、不審なメールやSMSに注意したりするなど、不正アクセスを防ぐための対策を講じることが重要です。
  • システムメンテナンスによる利用制限: 銀行のシステムメンテナンス中は、Web通帳を含むインターネットバンキングサービスが利用できない時間帯があります。
  • 取引履歴の確認期間を確認しておく: 過去の明細をどのくらいの期間確認できるのか、事前に銀行のウェブサイトなどで確認しておきましょう。必要な場合は、定期的にデータをダウンロードするなどの対応が必要です。
  • 紙の通帳に戻す際の手続きや手数料を確認しておく: 将来的に紙の通帳に戻す可能性がある場合は、その際の手続き方法や発生する手数料について把握しておくと良いでしょう。
  • 家族との情報共有: 家族が口座を管理している場合など、Web通帳に切り替えることで家族が明細を確認しづらくなる可能性があります。事前に十分に話し合い、情報共有の方法を確認しておくことが大切です。

Web通帳は、その利便性から多くの方にとって便利なサービスですが、ご自身の利用スタイルやニーズに合わせて、メリット・デメリット、そして注意点を十分に理解した上で利用を検討することが重要です。

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