Windows 11を学ぼう⑤ ファイルシステムとストレージ管理を徹底解説

Windows

ファイルシステムとは?

ファイルシステムとは、ストレージ(SSD・HDD)にデータを「どのように整理して保存するか」を定めたルールの体系です。

図書館に例えると、ストレージが「建物」、ファイルシステムが「本の分類・管理ルール」、ファイルが「本」です。ルールがなければ、どこに何があるか分からなくなります。


Windowsの主なファイルシステム

NTFS(New Technology File System)

Windows 11が標準で使用するファイルシステムです。1993年のWindows NTから使われており、現代のWindowsに最適化されています。

主な特徴として、ジャーナリングという機能があります。これはファイルの変更操作をあらかじめ「記録」してから実行する仕組みで、突然の電源断が起きてもその記録を使ってデータを復元・修復できます。これがNTFSが安定している理由のひとつです。

またアクセス権限(ACL)の管理ができるため、ファイルやフォルダごとに「誰が読める・書ける・実行できる」を細かく設定できます。ファイルの暗号化(EFS)や圧縮もサポートしており、対応する最大ファイルサイズは理論上16EBと実質無制限です。

FAT32(File Allocation Table 32)

古くからあるシンプルなファイルシステムです。WindowsだけでなくMacやLinuxでも読み書きできるため、USBメモリやSDカードでよく使われます。ただし1ファイルの最大サイズが4GBという制限があるため、大きな動画ファイルは保存できません。

exFAT(Extended FAT)

FAT32の後継で、USBメモリや大容量SDカードに向いています。4GBの制限がなく、MacやLinuxでも読めます。ただしNTFSのようなジャーナリングや権限管理はありません。

ReFS(Resilient File System)

Windows 11 Pro以上で利用できる新しいファイルシステムです。データの整合性チェックを自動で行い、壊れたデータを自動修復する機能を持ちます。主に大容量サーバーや重要なデータ保管に向いています。

種類 主な用途 最大ファイルサイズ 特徴
NTFS Windows標準 実質無制限(16EB) ジャーナリング・権限管理・暗号化
FAT32 USBメモリ・SDカード 4GB Mac/Linux互換。シンプル
exFAT 大容量USBメモリ 実質無制限 FAT32の後継。Mac/Linux互換
ReFS サーバー・重要データ 実質無制限 自動整合性チェック・自動修復

ストレージの仕組み — パーティションとボリューム

パーティション

物理的なストレージを論理的に区切った「区画」のことです。1つのSSDを複数のドライブ(C:ドライブ、D:ドライブなど)に分けられます。

物理SSD(例:1TB)
┌──────────────────────────────────┐
│ EFIシステム │  C:ドライブ  │ D:ドライブ │
│ パーティション│  (500GB)  │  (499GB) │
└──────────────────────────────────┘

ボリューム

パーティションにファイルシステムを設定して使えるようにした状態が「ボリューム」です。Windowsではドライブレター(C:・D:など)が割り当てられます。


NTFSの内部構造

NTFSの中心は MFT(Master File Table) というデータベースです。ストレージ上のすべてのファイルとフォルダの情報(名前・サイズ・作成日時・場所など)がここに記録されています。

ファイルをダブルクリックしたとき、WindowsはまずこのMFTを検索し、目的のファイルがストレージのどこにあるかを調べてから読み込みます。

フラグメンテーション(断片化)

ファイルの保存・削除を繰り返すと、1つのファイルのデータがストレージ上の離れた場所に散らばることがあります。これが断片化です。

HDDでは読み取りヘッドが物理的に動くため、断片化すると速度が落ちます。SSDでは物理的な動作がないため影響は小さく、Windows 11はSSDの最適化(TRIM)を自動で行います。


Windowsのストレージ管理ツール

ディスク管理(Disk Management)

スタートを右クリック→「ディスクの管理」で起動できます。以下の操作が可能です。

  • 新しいパーティションの作成・削除
  • ドライブレターの変更
  • ボリュームの縮小・拡張
  • 新しいディスクの初期化

記憶域スペース(Storage Spaces)

複数のHDD・SSDをまとめて1つの大きなドライブのように使える機能です。RAID(冗長化)に似た仕組みで、1台が壊れてもデータを守る設定もできます。

ドライブの最適化

設定→システム→ストレージ→「ドライブの最適化」から確認できます。SSDには「最適化(TRIM)」、HDDには「デフラグ(断片化解消)」が自動スケジュールで実行されます。


重要な概念

TRIMコマンド(SSD向け)

SSDでファイルを削除すると、Windowsは即座に「このデータはもう不要」とSSDに通知します。これがTRIMです。TRIMがあることでSSDの書き込み速度を長期間維持できます。Windows 11は自動でTRIMを実行します。

仮想メモリとページファイル

カーネルの回で説明したページファイルpagefile.sys)は、通常Cドライブに自動作成されます。Windowsが自動でサイズを管理しますが、RAMが少ない場合は手動で増やすこともできます。

Windows RE(回復環境)パーティション

Windowsのインストール時に自動作成される小さなパーティションです(約500MB〜1GB)。Windowsが起動できない場合の修復ツールやリセット機能がここに入っています。「ディスクの管理」では「回復パーティション」として表示されます。


ストレージの健全性を確認する方法

SMART情報の確認

SSDやHDDは内部で自己診断を行っており、この情報をSMART(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)と呼びます。コマンドプロンプトで以下を実行すると確認できます。

wmic diskdrive get status

「OK」と表示されれば正常です。サードパーティ製ツール(CrystalDiskInfoなど)を使うとより詳細な情報が確認できます。

chkdsk(チェックディスク)

ファイルシステムの論理的なエラーや不良セクターを検査・修復するコマンドです。

chkdsk C: /f /r

まとめ

Windowsのファイルシステム全体像
┌────────────────────────────────────┐
│         アプリ・ユーザー           │
├────────────────────────────────────┤
│    ファイルシステム(NTFS)        │
│  MFT管理・ジャーナリング・権限管理 │
├────────────────────────────────────┤
│       パーティション・ボリューム   │
├────────────────────────────────────┤
│     物理ストレージ(SSD/HDD)      │
└────────────────────────────────────┘

ファイルシステムの種類まとめ
├── NTFS   → Windows標準。高機能・高安全性
├── FAT32  → USBメモリ向け。4GB制限あり
├── exFAT  → 大容量USBメモリ・SDカード向け
└── ReFS   → 新世代。データ整合性に特化

ファイルシステムは普段意識しませんが、データの安全性・速度・互換性を根底から支えている重要な仕組みです。ストレージに何か問題が起きたときは、まずSMART情報とchkdskで状態を確認するところから始めましょう。

次回はWindowsのネットワークの仕組みについて学んでいきます。

Copied title and URL