AGGとLQDは、どちらも債券に投資するETFですが、その内容は大きく異なります。今回は、この2つのETFを徹底比較し、それぞれの特徴や投資メリットを分かりやすく解説します。
AGG(iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF)とLQD(iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF)は、どちらもブラックロック社が運用する人気ETFです。簡単に言うと、AGGは「米国債券市場全体に幅広く投資する優等生」、LQDは「高い利回りを狙う社債に特化した銘柄」です。
あなたの投資目的に合わせて、どちらが適しているかを見ていきましょう。
徹底比較:AGGとLQDの特徴を一覧でチェック!
特徴 | AGG(AGG) | LQD(LQD) |
主な投資対象 | 米国債、政府機関債、社債など、米国債券市場全体 | 米ドル建ての投資適格社債 |
安全性・リスク | 比較的リスクが低い(守備的) | AGGに比べてややリスクが高い |
期待利回り | 市場平均の利回り | AGGに比べて高い利回り |
価格変動 | 比較的穏やか | AGGに比べて大きい |
活用の目的 | ポートフォリオの安定性向上、リスク分散 | 高いインカムゲイン(分配金)の追求 |
投資先を詳しく見てみよう:格付け別の割合
投資先の信用格付けは、そのETFのリスクを測る重要な指標です。
AGGの格付け別ポートフォリオ
AGGは、ポートフォリオの半分近くを国債などの安全性の高い債券(AAA格付け)で構成しています。
格付け | 投資比率(%) |
AAA | 45.48% |
A | 20.37% |
BBB | 29.28% |
LQDの格付け別ポートフォリオ
一方、LQDは社債に特化しているため、A格付けとBBB格付けの債券が中心です。
格付け | 投資比率(%) |
AAA | 0.81% |
AA | 13.91% |
A | 47.78% |
BBB | 37.11% |
LQDはAGGよりもリスクを取ることで、より高いリターンを目指していることがわかります。
分配金はどう違う?2010年以降の分配金推移
投資家にとって、毎月入ってくる分配金は大きな魅力です。AGGとLQDの年間分配金の推移を見てみましょう。
AGGとLQDの年間分配金(2010年~)
年 | AGG (年間分配金) | LQD (年間分配金) |
2024年 | $3.63 | $4.75 |
2023年 | $3.11 | $4.42 |
2022年 | $2.53 | $3.48 |
2021年 | $2.02 | $3.05 |
2020年 | $2.53 | $3.67 |
2019年 | $3.04 | $4.21 |
2018年 | $2.89 | $4.14 |
2017年 | $2.54 | $3.77 |
2016年 | $2.59 | $3.91 |
2015年 | $2.65 | $3.96 |
2014年 | $2.64 | $4.05 |
2013年 | $2.47 | $4.38 |
2012年 | $3.27 | $4.64 |
2011年 | $3.49 | $4.99 |
2010年 | $3.95 | $5.28 |
- LQDは常にAGGより高い分配金: LQDは、よりリスクの高い社債に投資しているため、常にAGGを上回る分配金を出してきました。インカムゲインを重視するなら、LQDは魅力的な選択肢です。
- 金利上昇で両方とも分配金が増加: 近年、世界的な金利上昇に伴い、両ETFの分配金も増加傾向にあります。これは、新しく組み入れられる債券の利回りが上がったためです。
まとめ:あなたに合うのはどっち?
- AGG は、ポートフォリオ全体の安定性を高めたい方におすすめです。株式との相関が低いため、景気後退時でも資産を守る「守備」の役割を果たします。
- LQD は、高い分配金(インカムゲイン)を狙いたい方におすすめです。その分、価格変動リスクはAGGより大きいことを理解しておく必要があります。
どちらを選ぶにしても、ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて検討することが大切です。