VPNの基礎知識

がいの部屋

VPN接続が「安全」と言われるのは、公衆回線を利用しつつ、まるで専用線のように仮想的でセキュアな通信経路を構築する技術だからです。これがVPNの基本的な考え方です。

VPNの基本とは

VPNはVirtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)の略です。

  1. Virtual(仮想): 物理的な専用回線ではなく、インターネットなどの公衆回線上にソフトウェアなどで構築されるため「仮想」です。
  2. Private(プライベート): データを暗号化し、特定の利用者しか使えないようにすることで、プライバシーとセキュリティを確保します。
  3. Network(ネットワーク): 接続されたデバイス間でデータのやり取りを可能にします。

📌 VPNが安全であるための主要な仕組み

VPNが安全な通信を可能にする主な技術は以下の2つです。

1. トンネリング(Tunneling)

送信元と宛先との間に、仮想的な「トンネル」を設定し、その中でデータをやり取りします。公衆回線(一般的なインターネット)という「大通り」を通る際に、外部からは見えない「専用レーン」を通行するようなイメージです。これにより、通信データが途中で第三者に覗き見られるのを防ぎます。

2. 暗号化(Encryption)

トンネル内を通るデータはすべて暗号化されます。万が一、悪意のある第三者がトンネル内のデータにアクセスできたとしても、データは意味のない文字列に変換されているため、内容を解読することが非常に困難になります。

🌐 VPNを利用する主なメリット

VPNを利用することで、主に以下のメリットが得られます。

メリット詳細
セキュリティの向上公衆Wi-Fiスポットなど、セキュリティの弱いネットワーク利用時でも、暗号化により盗聴やデータ改ざんのリスクを減らせます。
プライバシーの保護自分のIPアドレスを接続先のVPNサーバーのものに置き換えられるため、実際の所在地やオンライン上の活動を秘匿しやすくなります。
リモートアクセス離れた場所(自宅、出張先など)から、安全に会社の内部ネットワークへアクセスできます(リモートアクセスVPN)。
コスト削減物理的な専用回線と比較して、低コストで安全なネットワークを構築・利用できます。

💡 VPNの種類(利用形態による分類)

VPNの主な利用形態には以下の2種類があります。

種類目的説明
リモートアクセスVPN個人やデバイスが社内ネットワークなどに接続する。在宅勤務(テレワーク)などで、個人のPCやスマートフォンから安全に社内システムにアクセスするために使われます。
拠点間VPN離れた拠点同士のネットワークを接続する。本社と支店など、地理的に離れた場所にあるネットワーク同士を安全に接続し、内部のように通信するために使われます。
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