iPhoneやiPadは通常、Wi-Fiを使ってプリンターと通信します。しかし、
「Wi-Fi環境が不安定…」
「オフィスでは有線LAN接続で使いたい」
という方も多いのではないでしょうか?
実は、iPhoneやiPadを 有線LAN(Ethernet) に接続してプリントすることは可能です。
この記事では、
- iPhone/iPadを有線LANにつなぐ方法
- プリンタへ印刷する手順
- 必要な機器・注意点
- トラブル対応
をやさしく解説します。
◆ iPhone・iPadを有線LANに接続するメリット
Wi-Fiを使わず、LANケーブルで直接接続することで、次のメリットがあります。
◎ 通信が安定する
Wi-Fiよりも切断や遅延が起きにくく、業務環境に向いています。
◎ セキュリティが高い
有線LANは外部アクセスが難しく、企業や医療機関では必須の場合もあります。
◎ Wi-Fiのない環境でも使える
工場・倉庫・一部オフィスなど、Wi-Fiの弱い場所でもインターネットや印刷が可能。
◆ 有線LANに接続するために必要なもの
iPhone・iPadは直接LANポートが無いため、以下の機器が必要です。
【必須アイテム】
- Lightning または USB-C 端子に対応した有線LANアダプタ
※2022年以降のiPadは多くがUSB-C
※iPhone 15以降もUSB-C - LANケーブル(Ethernetケーブル)
- 電源アダプタ(必要な場合)
Lightning-LANアダプタは、電源供給が必須のものが多いです。
Apple純正例
- Lightning – USB 3 カメラアダプタ + USB-LANアダプタ
- USB-C – Ethernetアダプタ
純正以外も多数ありますが、通信が不安定になる場合があるため注意が必要です。
◆ iPhone・iPadを有線LANに接続する手順
① アダプタをiPhone/iPadに接続
Lightning または USB-Cポートに接続します。
② LANケーブルをアダプタに差し込む
LANケーブルの反対側はルーターやスイッチングハブへ接続。
③ 電源アダプタを接続(Lightningモデルの場合)
Lightning-LANアダプタは給電しないとLANが有効にならない場合があります。
④ iPhone/iPadが自動的に有線LANを認識
設定 → Wi-Fi → Ethernet
という項目が表示されます。(Wi-Fiは自動的にオフにはなりません)
これで有線LAN接続が完了です!
◆ 【重要】有線LANからプリントする条件
ここが最も重要なポイントです。
● iPhone/iPad と プリンター が 同じネットワーク内に存在すること
つまり、
- iPhone/iPad:LANケーブルで有線接続
- プリンタ:Wi-Fi または 有線LAN
どちらも同じルーター(または同じネットワークセグメント)につながっていればOKです。
◆ プリンタに印刷する手順
印刷方法自体は、AirPrintと同じ操作です。
① 印刷したい写真・PDF・Webページを開く
写真アプリ、ファイル、Safariなど。
② 共有メニュー(□+↑)をタップ
③ 「プリント」を選択
④ 使用するプリンタを選ぶ
有線LANでも同じネットワーク内にいれば自動検出されます。
⑤ 設定(部数・両面など)を選択して「プリント」
これで印刷が始まります。
◆ 有線LAN接続で印刷できない時のチェックポイント
以下を確認すると改善することが多いです。
❶ iPhone/iPad が Ethernet を認識しているか
「設定 → Wi-Fi」に Ethernet が表示されているか確認。
❷ プリンタが同じネットワーク内にあるか
- 会社で VLAN が分かれている
- プリンタが別のルーターにつながっている
こうした場合は自動検出されません。
❸ プリンタがAirPrint対応か
有線LAN接続でも、印刷はAirPrint機能で行われます。
❹ ルーターの設定で「mDNS」が遮断されていないか
企業ネットワークだと、AirPrint検出に必要な mDNS(Bonjour) がブロックされている場合があります。
その場合はネットワーク管理者に相談が必要です。
◆ まとめ
iPhoneやiPadは本体にLANポートがありませんが、
アダプタとLANケーブルを使えば有線LANで安定した通信が可能 になります。
有線LAN接続後は、AirPrintと同じ方法でプリントできるため、
Wi-Fiの不安定な環境や業務現場でも安心して使用できます。

