近年、Google・Apple・Microsoftなど大手企業が採用を進めている「パスキー(Passkey)」。
「パスワードの代わりになる安全な認証方法」として注目されており、セキュリティ対策の観点でも非常に強力です。
この記事では、
- パスキーとは何か
- どんな仕組みで安全なのか
- パスワードと何が違うのか
- メリット・デメリット
- 具体的な利用場面
まで、初心者向けにわかりやすく解説します。
1. パスキー(Passkey)とは?
パスワードを使わずにログインできる認証方法のことです。
顔認証(Face ID)、指紋認証、PINコードなどのデバイス固有の認証を使い、安全にログインできます。
パスワードのように「自分で入力する文字列」は存在せず、
秘密鍵と公開鍵という2つの鍵を使って認証する「公開鍵暗号」の仕組みを利用しています。
2. なぜパスキーは安全なの?仕組みを簡単に説明
パスキーは、
- 秘密鍵(デバイスに保存される、他人に絶対渡らないキー)
- 公開鍵(サービス側に保存されるキー)
のペアで成り立っています。
🔒 パスキーが安全な理由
- 秘密鍵がデバイスの外に出ないため、盗まれない
- フィッシングで「入力を騙される」ことが起きない
- サーバーに秘密鍵を置かないため、漏洩リスクもゼロ
- 生体認証と組み合わせるため、他人が使いにくい
つまり、
「パスワード流出」「フィッシング」「総当たり攻撃」などのリスクをすべて回避できる画期的な仕組みです。
3. パスワードとどう違うの?
| 項目 | パスワード | パスキー |
|---|---|---|
| 入力 | 手動で入力 | 生体認証・PIN |
| 流出リスク | 盗まれる・漏洩しやすい | 秘密鍵は流出しない |
| フィッシング | 引っかかる | 仕組み的に不可能 |
| 管理 | 覚える必要 | デバイスに保管 |
| 使いやすさ | サービスごとに違う | ほぼ共通 |
**パスキーは“覚えなくてよいパスワード”ではなく、“入力する必要がない鍵”**という点が大きな違いです。
4. パスキーを使うメリット
① セキュリティが圧倒的に高い
パスワードのように推測されたり、漏洩したり、フィッシングに引っかかることがありません。
② ログインがとても速い
「顔認証」または「指紋認証」だけでログインできます。
③ パスワード管理が不要に
複雑な文字列を覚えなくてOK。
スマホやPCが自動で管理します。
④ 各サービスで採用が進んでいる
Google、YouTube、iCloud、Microsoft、Dropbox、PayPay銀行など、
多くのサービスで利用可能になっています。
5. パスキーのデメリット(注意点)
① デバイスを失くすと困る
パスキーはデバイスに保存されているため、スマホ紛失時は困る可能性があります。
→ iCloudやGoogleアカウントに同期しておけば、復旧が容易です。
② 対応していないサービスもまだある
すべてのサイトで使えるわけではありませんが、急速に普及が進んでいます。
③ 複数デバイスを使う場合は同期が必須
Googleアカウント/iCloudで同期されますが、設定が必要です。
6. パスキーの利用シーン(具体例)
- Google アカウントのログイン
- Apple ID(iCloud)ログイン
- Microsoftアカウント
- Amazonログイン(対応開始)
- 銀行関係(PayPay銀行など)
- パスワードマネージャー(1Passwordなど)
スマホの生体認証だけでログインできるので、
セキュリティが高いのに、とてもラクです。
7. 初心者向けのパスキー導入方法
(1)iPhone / iPad
- iCloudにサインイン
- 「iCloudキーチェーン」をオン
- パスキーをサポートするサービスにログイン
- 「パスキーを作成」を選ぶ
(2)Android
- Googleアカウントにログイン
- 自動的にパスキーが同期される
- 対応サービスで「パスキーでログイン」を選ぶ
(3)Windows / Mac
- Chrome / Edge / Safari が対応
- Googleアカウント・iCloudでパスキー同期が可能
8. パスキーを導入すべき理由(まとめ)
いま最も安全で、使いやすいログイン方法が「パスキー」です。
・パスワードより安全
・使いやすい
・フィッシングに強い
・多くのサービスで使える
これらの理由から、
今後は“パスワードからパスキーへ”という流れが確実に進んでいくと考えられます。
